
エドガルド・カルドーソ/フアン・キンテーロ『アミーゴ』
Edgardo Cardozo/Juan Quintero『Amigo』
●MDR 1476 ●2,520円(税込)
2つのクラシックギター、2つの声。端正な佇まい、こぼれ落ちるようなセンティミエント、まるで双子の魂のようだ。この瑞々しい才能を持つ2人の「声とギター」の主はアルゼンチンフォルクローレ新世代を代表するホープ達。ファンはアカ・セカ・トリオ、エドガルドはプエンテ・セレステという先鋭グループの牽引者だ。正統なアルゼンチンフォルクローレの「弾き語り」の伝統を受け継ぎつつ他ジャンルの音楽的要素をごく自然に消化する2人の佇まいは正に新世代。ヂスモンチ、ミナス派といったブラジル音楽からの影響も見え隠れするが特筆すべきはそんな他ジャンルからの影響をこれ見よがしではなくあくまで自然に表出している点だ。そしてあくまでデュオでアコースティックにギミックはなし。2人の声とギターの素晴らしさ(めちゃめちゃうまい)を堪能出来る。瑞々しさと成熟が絶妙なバランスで同居した好盤だ。[texto por Saigenji]
当代きっての美声を持つシンガー2人による夢のコラボレーション。ギターのみをバックにしたシンプルなサウンドは、美しい旋律やハーモニーを聴かせるという意味では大正解。とにかく心地よく身を任せられる内容だ。サウル・サリーナスのタンゴ曲「ロス・ペンサミエントス」をピックアップしたり、アルゼンチンを代表する詩人フアン・L.オルティスの作品に曲を付けるなど、エドガルドのインテリジェンスを感じさせる作品でもある。[月刊ラティーナ08年8月号掲載 texto por 栗本 斉]
新世代フォルクローレ・シーン内屈指の美声と作曲能力のある2人の共演盤。声×2、ギター×2のシンプルな音作りながら、他では味わえない清涼で深淵な声とギターのハーモニーに酔いしれてしまう。「オーガニック」かつ「先鋭的」という同シーンの特異な特徴を特色付けている2大プロジェクト「プエンテ・セレステ」「アカ・セカ・トリオ」のVoによる共演盤だから聞き逃すべき作品ではないと思っていたものの、期待以上。ブラジル新世代シーンで例えるなら、“+2”のモレーノと、ロス・エルマーノスのマルセロ・カメロが突然デュオ・アルバムをリリースしたくらいのニュースで、リリース自体が驚きであり、嬉しいニュースだった。ギタリストとしても特異なプレイをする2人で、伴奏にも味がある。美しい声のハーモニーだけでなく、ギターにも注目して聞きたい至上の男性ヴォーカル・デュオ・アルバム。シーン屈指のアルバムだ。[月刊ラティーナ08年8月号掲載 texto por 花田勝暁]
購入はこちらから。

奥がアカ・セカ・トリオなどでも活躍するフアン・キンテーロ、手前がプエンテ・セレステなどでも活躍するエドガルド・カルドーソ
スポンサーサイト