
北中正和氏監修による、世界の音楽に関する大変意義深い書籍が発売になりました。タイトルも印象的な『世界は音楽でできている』。本誌にも寄稿して下さる書き手の方も多数参加されています。本誌の船津も寄稿しています。地球全土に及ぶ世界の音楽の豊かさを再確認でき、なおかつガイド本としてもスマートで読みやすい便利で価値ある2冊です。以下で、北中氏による「はじめに」を引用させていただきます。(僭越ながら)「月刊ラティーナ」の編集方針にも通じる部分もある、北中氏の『世界は音楽でできている』に込めた思いを感じて下さい。

世界は音楽でできている[中南米・北米・アフリカ編]
北中 正和 (著)
出版社: 音楽出版
価格/ 1,995円 (税込)
ISBN-10: 486171026X
ISBN-13: 978-4861710261

世界は音楽でできている[ヨーロッパ・アジア・太平洋・ロシア&NIS編] (単行本)
出版社: 音楽出版
価格/ 1,995円 (税込)
ISBN-10: 4861710278
ISBN-13: 978-48617102
はじめに
世界にはポップで楽しい音楽がいっぱいある。それを気軽に楽しもう、その手引きとして便利な本を作ろう、ということから生まれたのがこのムックだ。
いま日本語や英語以外の言葉でうたわれる音楽はワールド・ミュージックと呼ばれ、CDショップの売り場も区別されている。しかしフィールド・レコーディングや伝統保存を目的としたものを除けば、実際に聴いてみると、両者の間に明確な境界線があるわけではない。音楽の背景となる生活環境はちがっても、世界中の都市でアーティストが現代のテクノロジーの恩恵を受けながら音楽を作っている方法にそれほど極端なちがいはないからだ。国境を超えた人や情報の交流の増加もその傾向に拍車をかけている。
分秒刻みで更新されていくポピュラー音楽のいまを活字媒体で追いかけることの限界は承知している。CDは世界各地の音楽をすべて反映しているわけではなく、レコーディングから流通するまでの時差も大きい。だから最新情報を得ようとする人は、実際に現地に行ったり、現地に行ってきた人(もしくは現地から来た人)の話や音楽を聞いたり、インターネットを利用したりしている。しかしいまのように膨大な情報があふれていると、活字媒体で基本的な知識を持っているほうが、求める音楽がはるかに探しやすいことも事実である。
使いやすさを考えて、このムックはハンディな2冊分にした。どちらの分冊も単独で使え、興味のあるほうから手にしていただけるようになっている。(一部省略)
このムックで紹介している音楽の大部分は、特殊な音楽でもなければ、マニアックな音楽でもない。大部分はその土地に行けばメインストリームのど真ん中の音楽、もしくはかつてメインストリームであり、またよみがえる可能性のある音楽だ。その意味ではこのムックで紹介した音楽には過去から現在までの情報だけでなく、未来への提言もこめられている。音楽の森で道に迷ったときにはいつでもこのムックに戻って、新しい楽しみをみつけていただければ幸いである。[北中正和]
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