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最終公演10/31(水)吉祥寺STAR PINE'S CAFE間近。 松田美緒&ジョアン・リラ ジャパンツアー2007『Asas』

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写真:渡部晋也
  当代きっての歌い手・松田美緒がブラジルからジョアン・リラを招き行っているツアー2007『Asas』。24日(水)の石垣公演以外では、残すところ、10/31(水)吉祥寺STAR PINE'S CAFE公演のみになりました。ぜひ生で、松田美緒の歌声や、ジョアン・リラのギターやヴィオラ・カイピーラの音色を聴いて下さい。同公演には、笹子重治(g)、秋岡 欧(b)、石川智(Per)の三氏が出演し、ジョゼ・ピニェロ、黒田京子(P)の両氏がゲスト出演する。

10/31(水)吉祥寺STAR PINE CAFE
郵便番号180-0004 
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-20-16 B1
0422-23-2251
開場18:30 開演19:30
前売 4000円/当日 4500円(1d代別途必要)

松田美緒&ジョアン・リラ ジャパンツアー2007事務局
CHOVE CHOVA TEL 06-6225-3003
chovechuva@mail.orio.jp

松田美緒&ジョアン・リラ ジャパンツアー2007『Asas』 ライヴ・レポート
「いい曲を渋くやろうよ」というのが、3rdアルバム『Asas』をクリストーヴァン・バストスとジョアン・リラと松田美緒の3人が録音をはじめるための合い言葉だったそう。録音メンバーのうち、ブラジルからギターとヴィオラ・カイピーラの名匠ジョアン・リラを招いての『Asas』リリース全国ツアーの初日、10月5日の舞浜イクスピアリでの公演に足を運んだ。松田美緒とジョアン・リラが2人で全国を回るというのが基本だが、場所によってはゲストも迎えるという今回のコンサート・ツアー。舞浜イクスピアリ公演では、パーカッションの福和誠司、同じくパーカッションに翁長巳酉、ヴァイオリンに喜多直毅を迎えて、5人編成でのコンサートとなった。
 前日が『Asas』の発売日であったが、コンサート前半はアルバムの曲順にほぼ準じ進む。1曲目は、美緒が書いていた詩に、録音するその日にクリストーヴァンが曲をつけてきたという「Asas(翼)」。アルバムタイトル曲でもあり、ツアーのタイトル名でもある同曲。美緒の歌とジョアンのギターで静かにはじまる「海のように深く神秘的な“愛”へ向かって飛ぼう」と歌う美しい歌に、ゆっくりとリズムが絡みはじめた時、ポルトガル語で歌われる同曲であるにもかかわらず、音楽が「ドーっ」と胸の中に入り込んでくる。
 ヴァイオリンのイントロからはじまった武満徹の謡「小さな空」に、ノエル・ホーザ「祈りのかたち」が続く。前作『ピタンガ!』では、「オラソン(祈り)」というオリジナル曲をテーマ扱いにしていた彼女の、“想い/祈り”に重点を置く、彼女の歌い手としての選曲の仕方の特徴が現れる。
 過ぎ去った愛の深い悲しみ歌った「アスン・プレト(黒ツグミ)」(ルイス・ゴンザーガ/ウンベルト・テイシェイラ)、「決して」(ルピシニオ・ロドリゲス)が続く。曲の悲しみを反映した切迫感のある演奏。特にジョアン・リラの大きな身体が奏でる小刻みなギターの音色は歌の感情を特に露にしていた。サンバ・カンソン時代の名曲「決して」の“サウダーヂ”というリフレインが頭からしばらく離れなかった。
 続いて「想いをあつめて」。ポルトガル語ではかなり違うけれど、邦題は「想いあふれて」に似ている「想いをあつめて」は、密室録音メンバーのクリストーヴァンがシコ・ブアルキと作った曲。CDではクリストーヴァンのピアノに乗せて歌うこの歌を、ジョアン・リラの緩急のあるギターとのデュオで聴かせた。シコ・ブアルキの聴き易いけれど切なく味わい深い歌詞をもった名曲。前半の最後は、ジョアン・リラがマラカトゥ・アレンジを施した日本の歌「ゴンドラの唄」で賑やかに締めくくった。「いのち短し/恋せよ乙女~」というあの曲だ。しばしの休憩。
 後半のはじめにサプライズが。ジョアンが一人でギターを弾き始めたと思ったら、そのままギターのみで1曲演奏。ジョアンのいぶし銀のギター・ソロを目の当たりにすることができた。続く4曲は3rdアルバムに収録されていない曲が続く。2ndのテーマ曲「オラソン(祈り)」をジョアン・リラとのデュオ。ギターだけでなくヴィオラ・カイピーラにも定評があるジョアンがヴィオラ・カイピーラを披露。評判通りの豊かな響き。
ジョアンのペンによるコーコ「コーコ・ダ・カノア」では、ジョアンと美緒のヴォーカルの掛け合いをバンド全員が盛り上げる。続くはノルデスチ色が濃かった2ndアルバムのタイトル曲「ピタンガ!」。パウロ・セザール・ピニェイロとジョアン・リラの共作マラカトゥ「ナサゥン・マラカトゥ」と、ノルデスチ色の強い曲が続いた。
 再度、日本語の歌「みんな夢の中」で3rdアルバムの流れに戻る。同曲は、60年代末にヒットした浜口庫之助が作った歌だ。「喜びも悲しみも/みんな夢の中//なんで惜しかろう/どうせ夢だもの//消えていった面影も/みんな夢の中」と、消えていった愛しい人を歌う、切ない歌だ。アンコール前最後には3rdアルバムに唯一収録されたファド「神様」。美緒曰く「天空と対話するような歌」。
 アンコール1曲目は荒木一郎・作詞、武満徹・作曲の「めぐり逢い」をジョアンとのデュオで。続くは、ヴィラ=ロボスの作曲、ジョアン・ソウザ・リマの作詞の「田舎の列車」。アルバム『Asas』の最後を飾るこの曲は同作には珍しく“陽”のアレンジがされた曲。美緒の歌の希望の紡ぎ具合も美しいが、ジョアンがギター一本で同様の種類の音色を奏でる美しいギター・プレイ。最後にはジョアンの作詞作曲による「ヘスプレンドール」をコーコのアレンジで大団円。
 当たり前のことがけれど、ある“歌”が人に伝わるには、歌い手がいて、歌い手がその“歌”を選んで歌ってこそ、空気を伝わって“歌”が人の心に届くチャンスが生まれる。松田美緒という歌い手は、それがちゃんと出来ている歌い手だと思うのだ。以前より歌詞の内容について触れなくなった松田美緒のライヴMCの中で、特に印象に残っている言葉があって、それは「武満徹とヴィラ=ロボスは似ている」って、発言だ。「大作も作ったし、民衆の心に残る歌も作ったから」だという。今までそんな風に日本・ブラジルの偉大な作曲家に共通点を見いだした人がいただろうか? 彼女は音楽を1曲1曲の細やかな感情に共感することもでき、またマクロな視点で音楽を捉えることもできる。だから、歌う“歌”を自分の判断でしっかり選ぶことができる。澄んだ声の伸びを持つ彼女の歌声や、気持ちの面でいつも伝えたいことをもって歌っているという彼女のよく語られる特徴に加え、歌を非常に独特に洗練された審美眼で選ぶことができるということも彼女のすごく秀でたところだ。歌い手として必要な「声」「想い」「選曲眼」の3拍子がそろったまさに“歌い手”なのだ。そのことが、今回のライヴで一層よくわかった。1曲1曲から様々な感情が迫ってくる素晴らしいコンサートだったと言いたい。(月刊ラティーナ07年11月号掲載 text:編集部花田)

 また、現在タワーレコード各店で無料配布中の「intoxicate:No.70」では、松田美緒さんが「松田家の茶の間」というお題で、テキストを書かれています。こちらも必見。
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ベネズエラからエル・クアルテートが来日!

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テーマ:おすすめ音楽♪ - ジャンル:音楽

  1. 2007/10/23(火) 19:37:21|
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