以下、同連載からの抜粋になりますが、ホルヘ・ファンデルモーレを紹介します。
シンプルで飾らないシンガー・ソングライターのホルヘ・ファンデルモーレ。現代活躍する若手コンテンポラリー・フォルクローレのアーティストが、お手本にしているベテラン・アーティストだ。
56年サンタフェ州プエブロ・アンディーノ生まれ。80年代よりソロ・アーティストとして活躍し、83年にフィト・パエスらも参加した1stアルバムを発表。88年に、ペルー出身のギタリストのルーチョ・ゴンサレスらと結成した4人グループで発表した『Primer Toque』は、80年代のコンテンポラリー・フォルクローレを代表する名盤の1つに数えられている。90年代も第一線で活躍を続け、今回入荷したのは00年代の2作。
『Navega』は、02年に新興レーベルShagrada Medraより発表。レーベル・メイトでもあるカルロス・アギーレや、長年タッグを組んでいるフアンチョ・ペローネらが全面的に参加。全体を覆うような透明感と、その空気に流されることなく芯の通ったメロディーと歌が聞こえる大傑作。
05年には、同じくShagrada Medraより『Pequenos Mundos』をリリース。前作よりは落ち着いた雰囲気ではあるが、こちらも負けず劣らず素晴らしい内容。ホルヘの歌世界は変わらないが、今作の特徴はフルートやオーボエなどの木管楽器を取り入れているところ。どこかクラシカルで上品な雰囲気からは、彼の音楽がさらに熟成されていっていることがよくわかる。
(各タイトルのリンクから購入可能です)

『Navega』
〔2002年発表〕 この作品の魅力を語るには、やはり冒頭を飾る「Cuando」に尽きる。徐々にドラマチックに展開していく歌のスケール感は、彼の本領発揮といったところ。トリオ・デ・ギターラス・デ・ロサリオとジャジーにグルーヴするアルバム・タイトル曲や、ルベーン・ゴルディンとデュエットし美しいハーモニーを聴かせる「Marina」、カルロス・アギーレのピアノと寄り添うように歌う「La Mirada」など、珠玉の名作がたっぷり詰っている。(月刊ラティーナ 07年11月号掲載 texto por 栗本斉)

『Pequenos Mundos』
〔2005年発表〕 胡桃がぽつんと置かれたジャケット写真が印象深い、現時点での最新作。シンガー・ソングライター然としたホルヘ特有の朴訥さと、木管楽器やストリングスのアンサンブルによる室内楽的ムードが見事に調和している。カルロス・アギーレが「Diamante」で流麗なピアノを弾き、フランコ・ルシアーニが「Elegia Por Cris」で爽快なハーモニカ・プレイを聴かせるなど、歌も彩りを与えるゲスト・ミュージシャンも素晴らしい。(月刊ラティーナ 07年11月号掲載 texto por 栗本斉)
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