
[前編はこちら]
デヴェンドラ・バンハート「僕は、バンドのベーシストとサンフランシスコの映画館で会ったんだ。彼は『シネマ・ファラード』(カエターノが製作した映画)」のチケットを売っていて、僕は映画館で働いていんたんだ。僕のトロピカリズモとの出会いは、父が新しい音楽を聞きたいという興味をもっている人だったからだ。当時、デビッド・バーンが編集したコンピレーションがあって、その中に「レアゥンジーニョ」が収録されていた。カエターノを初めて聞いたのは、モレーノを初めて聞いたのとほぼ同時だった。すごいCDだったと同時に、心を鷲掴みにされたね」
カエターノ・ヴェローゾ「最近は僕は自分の作品にとても注意深くなった。というのも、ポルトガル語を話せない人のことも考えているから。作品に責任を持とうとしているんだ。ジャキス・モレレンバウムとやった作品や、若いミュージシャンとやった『Ce』は、そんな気持ちで作った。ジャキス・モレレンバウムは音楽の天才というだけでなく、とても優しい人間で、僕にとても多くのことを教えてくれた。彼のおかげで音楽家であることが、少しは恥ずかしくなくなった。ジャキスとやっていなかったら、こんな風な顔して今やれていないだろう」
デヴェンドラ・バンハー「あなたはスペイン語、英語、イタリア語でも歌いますね」
カエターノ・ヴェローゾ「外国語で歌い始めたのは英語が最初だった。でも英語を書けなかったんだ。ひどいもんだったよ。ラルフ・メイスRalph Mace[『トランザ』のプロデューサー]というイギリス人の友人がいた。彼が僕に英語の曲を作るように言ってきたんだ。彼は僕の作品やジルの作品を気にっていた。彼が「それはとってもオリジナルでおもしろいことだし、アルバムを作ろう」と言ったんだ。僕はロンドンに着いたばかりだった。僕の英語には限界があるし、当時は本当に全くしゃべれないぐらいだった。とても落ち込んでいたし、誰とも話す気になれなかった」
デヴェンドラ・バンハート「その話が聞けて嬉しいよ。僕らが「ロスト・イン・ザ・パラダイス」を歌っている理由は…」
カエターノ・ヴェローゾ「「ロスト・イン・ザ・パラダイス」! その歌は(ロンドンへ亡命する前に)サンパウロに住んでいた時に書いた歌だ。英語を話してはいなかったけど、圧政者の思惑で、サンパウロに英語が存在することへの返答になると思った。同時に、世界に向けて言うのに便利な言葉でもある。検閲もあった」
デヴェンドラ・バンハート「(「ロスト・イン・ザ・パラダイス」の中で)“don’t help me”と叫ぶのは、とてもパンキッシュで2元的なことだ。僕らがこの曲を演奏している理由は「この歌はカエターン・ヴェローゾの歌で、いいヴァージョンを聞きたかったら、作曲者のを聞いてくれ」と伝えたいからなんだ。あなたはポルトガル語を話すけれど、僕が知っている英語を話すごの作曲家よりも、英語でよい曲を作る。奥が深くてたくさんの解釈ができる余地がある」

話に出てきたデヴェンドラ・バンハートがカエターノ・ヴェローゾを初めて聞いたという、デビット・バーン監修のブラジル音楽のコンポレーションは、『Brazil Classics 1 : Beleza Tropical』という作品。
また、「ロスト・イン・ザ・パラダイス」は2ndソロアルバム『Caetano Veloso/Caetano Veloso(1969)』に収録されている。
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