『Ce』を聴きながら、或は、『Zii & Zie』が発売されたら、「そういえばペドロ・サーのインタビューが載っていたな」と思い出して読んでいただければと思います。
●カエターノが新作収録予定の1曲「LAPA」のライヴでの演奏をオフィシャルにUPしています。
カエターノのブログからの転載ですが、『Zii & Zie』の録音メンバー。

録音メンバー:写真左からダニエル・カルヴァーリョ(エンジニア)、ヒカルド・ヂアス・ゴメス(B、Key)、カエターノ・ヴェローゾ、モレーノ・ヴェローゾ(前作に続きプロデューサーだと思われる)、マルセロ・カラード(Dr)、ペドロ・サー(G)
以下は、昨日の続き「ペドロ・サーへのインタビュー~カエターノとの密月~後」
(Bruno Maiaが行ったもの)
BM:カエターノが「最もロックしていた時期」は、誰の目にも明らかで、カエターノ自身も言っているように、ずっと前の時期で、あなたもそうだし、他の2人のバンドのメンバーも生まれていない時期です。60年代70年代は、多くのアーティストに一種のノスタルジーを引き起こしている年代で、一般の人の中にもあの時期が一番よかったなんて言う人もいます。カエターノは、この時代を、この力強い魅力を代表するアーティストで、現在も、傑出していて、キャリアの重要性に相応しい活動を行っている。私が想像するに、20世紀カルチャーを代表するアイコンの作品に参加しているという意識が、あなたがたミュージシャンにはある。この考えには賛成できる? 共同で生み出した、すごく特別な瞬間はあった?
ペドロ・サー:ええとさ、さっき言ったように、カエターノはカエターノなんだよ。でも彼自身、彼の今までとどこで決着をつけて、僕らの活動をはじめるかに、すごく自覚的だ。とてもシンプルで自然な方法でもってしてね。全部シンプルで自然に進んでいったよ。
BM:インタビューで、カエターノは、Arctic MonkeysやGrandaddyといったバンドに言及していて、あなたともこういうバンドについて話していたとも言っています。「ニュー・ロック」と呼ばれるこれらの音楽のどういうところが特に面白いですか?
ペドロ・サー:僕は、音がすごくいいと思う。特に、Arctic MonkeysがMulheres Que Dizem Simに似ていると思った。残念ながらGrandaddyはスタイルだけだと思うけど、The Strokesもすごくいいと思う。Devendraは素晴らしいし、Wilcoも素晴らしくて、Los Hermanosもすごい。音は美学だよね。「よく録れている」ということじゃなくて、詩的で音楽的な感覚を感じる。そこが、僕はいいと思って、これらのバンドが好きなんだよ。
BM:YouTubeやMySpace、Orkut、ホーム・レコーディング用ソフト、携帯プレーヤー等の、音楽シーンを動かしているこれらの新しいコミュニケーション手段や道具は、カエターノの新作に何らかの影響を与えた? 僕らが言及したような新しい世代のインディーロックは全てこういったものの影響を受けていて、2006年にインディーロックを語るならこの点を避けては通れないと思うんだ。
ペドロ・サー:申し訳ないけど、アルバムを作っているときに、そのことについては何も考えなかったよ。
BM:現在のカエターノのバンドのメンバーは全員、自分の別のプロジェクトとか、別のバンドでも活動している。今回のような強力な作品に参加するのはどう? 他の活動は中止しないといけない?
ペドロ・サー:誰も何も止めていないよ。(Mariano)Marovattoが言っているように、全ては一点に向かっているんだ。確かに、ライヴをするのには他のライヴを諦めないといけないこともある。でも、カエターノは、一年に数えられないほどライヴをするわけじゃないよ。仕事はとても人間的に進んで、全ては自然と調整されていくんだ。
BM:最後に、34歳で、いつも音楽的に尊敬していて、同時に個人的な付き合いもあった人物と、こんなに巨大な仕事を実現しているることはどういうことですか?
ペドロ・サー:素晴らしく名誉なことだ。

音楽プロデューサーでギタリストのペドロ・サー
Pedro Saペドロ・サーへのインタビュー~幼少期~
Pedro Saペドロ・サーへのインタビュー~リオへロック・シーンが根付く過程で~
Pedro Saペドロ・サーへのインタビュー~カエターノとの密月~前
●Do Amorド・アモール

インタビュー中に、メンバーそれぞれが沢山のプロジェクトに関わっている話が出てきますが、マルセロ・カラードと、ヒカルド・ヂアス・ゴメスが参加しているバンドが「Do Amor」。音を聴いてもらえばわかりますが、現在のカエターノ・バンドのサウンドとの類似点も多く、アドリアーナやロス・エルマノスやインペリアル等々、いいアーティストの写真ばかりを撮っている写真家のカロリーナが、特に「Do Amor」を好意にしてもいます。そんなところからも、このバンド「Do Amor」は、今後大きく化ける存在ではないかと思います。
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