
セネガル出身のミュージシャンのユッスー・ンドゥールが、アフリカ音楽の痕跡を、アメリカの黒人音楽の中に探していく音楽ドキュメンタリー、音楽ロードムービー『ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷』が、2月14日より、シアターN渋谷で公開中です。
きたる20日発売のラティーナ3月号では、柳原明さんが関連記事を執筆して下さっています。
ユッスー・ンドゥール
これは喜びに満ちた帰還です。いかなる場合でも、人が歴史を守りつづけることは必要です。しかし、同時に、前進することも必要なのです。今日、ゴレ島では涙を流す人よりも祝祭をあげる人が多くなりました。この映画は奴隷をテーマにしていますが撮影はとても楽しいものでした。だから、喜びに満ちた帰還だったのです。この映画を言い表すとすれば……“友情”や“同胞愛”という言葉が浮かんできます。このプロジェクトを通して、様々な国籍、宗教、人々に出逢いました。そして、対話する上で、文化や宗教、そして言葉の違いは障害ではなかったのです。むしろ、それらは対話を豊かにしてくれるものでした。

映画『ユッスー・ンドゥール 魂の帰郷』
監督:ピエール・イヴ・ボルジョー
出演:ユッスー・ンドゥール、モンセフ・ジュヌ
2007年スイス映画賞(Swiss Film Prize)ドキュメンタリー部門 ノミネート
2007年カンヌ国際映画祭 正式出品作品
21日(土)、22日(日)には、ゲストを迎えてのトーク・イベントも予定されています(詳しくはシアターN渋谷HPへ)
ストーリー
「ラテンミュージックやジャズ、ブルースに自分の音楽との共通性」を感じたユッスー・ンドゥールは、今を生きる黒人が苦痛に満ちた過去をどう受け止め、生きていくかを示すため、“ジャズ”をテーマに“根源への回帰・民族の記憶を辿る旅”に出ることに決めた。盲目のジャズ・ピアニスト、モンセフ・ジュヌを音楽ガイドとし、彼と共にアトランタからニューオリンズ、ニューヨーク、ルクセンブルク、そしてダカール・ゴレ島へ帰っていく。ユッスーとモンセフは多くの著名人や様々なミュージシャンと出会い、セッションや対話をしていく──。アトランタのゴスペル歌手W・マイケル・タナーJr、ニューオリンズのドラム奏者アイドリス・ムハンマド、ニューヨークのコントラバシスト、ジェームズ・カマック、ニューヨークの詩人アミリ・バカラ……。彼らは、この“旅”を通して過去・現在・未来の関係だけでなく、大陸や文化の違いも越え、音楽を通じて共存する新しい道筋を照らし出す。旅の最終目的地であるゴレ島、奴隷貿易いより多くの犠牲者を出したゴレ島、この地へと帰ってきたユッスー・ンドゥールの魂の歌声が響く──。

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