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ビクトル・ラバジェン日本公演、大好評でいよいよ東京へ!

ラバジェン・ステージ01
毎年恒例の春のタンゴ・シリーズ!今年はオスバルド・プグリエーセ、セステート・タンゴ、コロール・タンゴとタンゴの歴史的グループの名バンドネオン奏者として活躍してきた最後の巨匠、ビクトル・ラバジェンのキンテート、世界の若者たちに大人気の、風変わりなフェルナンデス・フィエロ楽団の専属歌手も務める話題の男性歌手エル・チノ・ラボルデ、ダンサーは恐らく現役トップクラスの実力と人気を兼ね備えたサブリーナ&ルベン、タンゴダンス世界選手権の最初のチャンピオンで現在では誰もがアルゼンチン・タンゴ界でもトップの評価を与えるジセラ&ガスパル、昨年のステージ部門の優勝カップル、ベッサベ&ジョナサンと、どの角度から見ても超の字の付く一流ステージだ。

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 ビクトル・ラバジェンはセステートタンゴ、マリアーノ・モレス楽団のバンドネオン・ソリストとして、オルランド・トリポディ楽団のバンドネオン・ソリストとして、また最近では「フォーエバータンゴ」の音楽監督として世界を巡演、もちろん日本にも何度もやってきていて、数年前に共演した日本のバンドネオンの第一人者、小松亮太も尊敬する巨匠。それが、今度は初めて自分の名を冠したキンテートとしての来日とあって、自作の名曲や盟友であった故フリアン・プラサなどの本格的タンゴが並ぶ。特にフォーエバータンゴでの妥協に嫌気がさしていた直後だから、今回は思い切り自分スタイルでの名演が続く。その迫力にはキンテートの面々も戦々恐々とするほど。名バイオリニストのワシントン・ウィリマンは「今回のラバジェンの迫力には驚いた。恐らく今までの普通のステージの5倍は練習させられてやってきた。だから、最初から演奏はまとまっているんだが、日本にやってきてから毎日、確認場所があって本番前にも凄い練習だ」と語る。その通り、妥協を一切排除した強力なステージになっている。普段あまり本格的なタンゴを聴けない地方のファンにはあまり知られていない曲で心配していたが、ステージのテンポの良い変化に、いつも満員の聴衆は皆納得。最後はステンディングで応える人気ぶりだ。
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 昨今のタンゴ・ステージではダンスが一番注目されるが、このステージのダンス・カップルはここ数年で一番のレベルと評判だ。まず、第一回目のタンゴダンス世界選手権でのチャンピオン、ジセラ&ガスパル。アクロバットだけに走ることなく、いつもタンゴの伝統を忘れることなく技術を向上してきたが、今年の彼らのダンスには誰もが押し黙る凄さが溢れる。日本でステージ・タンゴを目指すファンには必見のダンスだ。また、今回の群舞のほとんどを振り付けたサブリーナ&ルベン。今回のダンス・グループのリーダー的な存在で全員をまとめるのがルベン。いつも理に適った説明と高い技術を要求してメンバーのやる気を煽る。彼らは主にヨーロッパで活躍してきたが、今やアルゼンチンでは最高クラスのカップルとなっている。彼らの細かな「タンゴ性」に注目、だ。そして、昨年の世界選手権チャンピオン。昨年はサロン部門で初の日本人誕生のせいで陰に隠れてしまった感じだが、彼らのじつに歯切れの良いダンスには共感するファンも多いはず。アルゼンチンでも、今までのチャンピオンの中でも特に評価が高い理由がよくわかるダンスを披露している。
_DSC9348.jpg 今回のダンス・パートの見所は、特にそれぞれのカップルのソロのダンスだ。もちろん3組による群舞も2カップルによる群舞もたっぷりあるが、今回は特にレベルの高いカップルの集合で、その力を存分に発揮するために、各カップルが2曲づつ素晴らしいダンスを披露してくれる。ダンス・ファンにはたまらないステップが存分に楽しめる。今のアルゼンチンでのタンゴ・ダンス最前線の動きがはっきり見て取れる仕掛けだ。昨年を除いて今まで毎年来日を重ねてきたジセラ&ガスパルも「今までよりも全員のやる気が伝わってくる分、素晴らしいステージが出来上がっていると思う。なにしろ、リーダーが巨匠ラバジェンで、その彼に他のマエストロたちも毎日音楽的な特徴や、歴史的な演奏法を教わっている姿を見せられるから、私たちもついつい真剣になる」とのこと。
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 まだまだ若いにもかかわらず、人望の厚さからかサブリーナ&ルベンのステップには円熟味も伝わってくるし、ジセラ&ガスパルにはタンゴダンスの現在の頂点のステップが、またベッサベ&ジョナサンは、初々しさもあるけれども、伝統のタンゴダンス界になにか新しい者を付け加えたいという意欲が見え隠れする。この新チャンピオンは、昨年の大会で日本でも人気のあるファビオ・ハーゲルの「エンカント・ロホ(赤い誘惑)」で決勝に挑んで成功した。このことを喜んだファビオは、自身のアレンジをそのままラバジェンに提供したとか。アルゼンチン・タンゴ界でのラバジェンの偉大さは意外に日本のファンには知られていない。今度のステージで、そのことが十分に理解できるはずだ。
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 最後になってしまったが、今回の最高のハイライト・シーンのひとつだ。歌手のエル・チノ・ラボルデの歌とギターのディエゴ・クイッコの2人だけによる2部の最初のパートだ。ドレッド・ヘアーに薄汚れたジーンズ姿で、現代にタンゴの本質的伝統を蘇らせて世界的に活躍するフェルナンデス・フィエロ楽団の専属歌手。FF楽団では、なかなか本領が発揮できていなかったが、ディエゴ・クイッコとのデュエットでタンゴ界を揺るがせることになった。大変な歌手の誕生である。長い間、アルゼンチンでも待望された男性歌手の出現だ。「言葉もなく」「レクエルド」「古い銅の時計」....必ず感動できる「歌」がここにある。現在全国公演中で2月25、26日の両日4回公演、中野サンプラザでいよいよ開催される。
さらにラバジェンの演奏とエル・チノ・ラボルデの歌を聴きながら、ダンサーたちと一緒にダンスも楽しみたい、というファンには、2月27日にグランミロンガ2010も用意されている。グランミロンガは、今年7月に開催されるタンゴダンス世界選手権アジア大会の公式発表記念と言うことで毎年開催され、人気を博しているイベントだが、会場が小さいため200人限定のイベント。毎年参加者が溢れてしまうので、お申し込みはお早めに。

【ドラマチック・タンゴ~伝統と革新~ 東京公演】
2/25、26 両日14:00と18:30の2公演ずつ
場所:中野サンプラザ
S席:5800円
詳細はこちらをご覧ください。

【グランミロンガ2010】
2/27(土)16:30~21:00
場所:浜松町・シーバンスホール
料金:前売5500円/当日6500円
詳細はこちらをご覧ください。

問TEL:03・5768・5588/ラティーナHP

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  1. 2010/02/05(金) 19:15:47|
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