"ENGUIÇO"
◆Columbia 2-464136(1990年)

●記念すべき1990年のデビュー作。プロデュースはマゾーラで、ハファエル・ハベーロ、セルソ・フォンセカ、パウリーニョ・ブラガといった手練がサポートした。マリーザ・モンチのブレイクを手本とするブラジル音楽業界の当時の方向性に漏れず、選曲はマリーザの1stと相似形。オリジナル2曲のほか、同郷のルピシーニオ・ホドリゲスが作曲したサンバ・カンサゥンの古典、カルメン・ミランダがらみの曲、アメリカン・ソングをホベルト&エラズモ・カルロスがポルトガル語に訳したヴァージョン、チタンスのヒット曲など。何と言ってもドナート&カエターノの「ナケーラ・エスタサゥン」は必聴。サウンドの洗練度を今の彼女の作品と比べるのは野暮だろう。演劇出身のポップ歌手エドゥアルド・ドゥセッキ作「インジュリアード」の、声色を使い分けながらギター弾き語りウルトラ早口で歌うパフォーマンスは圧巻。地元での弾き語りがデビューに繋がった彼女を象徴する一曲だ。(船津亮平)
必聴曲「ナケーラ・エスタサゥン」
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