"CANTADA"
◆BMG 74321957172(2002年)

●ミニマルな編成による“宅録”路線のアヴァン・ポップ。アドリアーナ史上最も内省的な作品とも言われる『カンターダ』だが、実は実はベスト盤的コンピレーションシリーズ『ペルフィル』を除けば、彼女の作品の中で最もヒットした1枚でもある。『マリチモ』以降4年ぶりのスタジオ録音。モレーノ+ドメニコ+カシン(当時はモレーノ+2と名義)が参加した「プログラマ」や、ダニエル・ジョビンのピアノをバックにカヴァーしたマドンナの「ミュージック」は2007年の初来日時でも披露された(モレーノとのダブル・チェロ!)。『マリチモ』でのペドロ・ルイス&パレーヂもそうだが、常に新しい感覚を取り入れ自身のサウンドをイノベートせずにはいられない彼女。ロス・エルマーノスやボサクカノヴァ、そして+2といった若き精鋭たちにとって、いい姉貴分であるのは想像に難くない。一聴地味ながら、知らず知らずのうちに繰り返してしまう麻薬のような1枚。人はそれを名作と呼ぶ。(船津亮平)
本作1曲目「プログラマ」(音声のみです)
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