"O MICRÓBIO DO SAMBA"
◆Sony Music SICP-3267(2011年)

●「幼い時にサンバの微生物が住み着いて以来、微生物は僕の中で増殖して、離れないどころか、歳を取るにつれて僕をより重度に感染させる」──これは本作にアドリアーナが寄せた短文の一部だが、ルピシーニオ・ホドリゲスの回想文の引用だ。タイトル『サンバの微生物』はここからとられている。本作のテーマはずばりサンバ。ギミックなし。彼女が得意とした音響的な実験性を本作では封印した。声とギターでアドリアーナ、Perにドメニコ、ベースにアルベルト。クールかつ女性的に、生音に拘りながら、この3人によるサンバマナーで自身渾身のサンバ12曲を聴かせる。8作目で初めて、彼女自身の作詞作曲の曲で全曲が占められた。アドリアーナに流れる生々しい血を見させられるような濃密なサンバ・カンサゥンの世界が響く。彼女の痛みが昇華されたサンバ。痛くて美しい。この血の濃さに鳥肌が立つ。
※ブラジル盤ディスコガイド2011年5月号より引用
(花田勝暁)
adriana calcanhotto_tão chic from horto filmes | clara cavour on Vimeo.
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