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月刊ラティーナを発行する(株) ラティーナの情報発信用ブログ!

ロス・エルマノス:ディスコグラフィーwithディスコ・ガイド

 なぜか急遽やりたくなったこの企画。
 前々から応援したいと思っていたブラジルのロック・バンド、ロス・エルマノスのディスコグラフィーを、月刊ラティーナに掲載されたレビューで振り返ってみます。各ライター方の、ユニークな語り口も楽しんで下さい。個人的に“髭面(ヒゲヅラ)のビートルズ”と呼んでいて、一押しのバンドなんですが、なかなか国内盤は出ません。一度、日系コミュニティー向けに来日していますが、東京周辺のブラジル音楽ファンで来日公演を見た人の話は聞いたことがありません。
 06年はオリジナル・アルバムの発表はありませんでしたが、2年に1枚は欠かさず発表しているペースなので、今年は新作の発表を期待してもいいのでしょうか!?個人的に好きな曲は「O Vencedor(オ・ヴェンセドール、勝者)」と「Sentimental(センチメンタル、感情的)」です。「生まれか変わったら何になりたい?」なんて質問をされることもありませんが、用意している答えは「ホドリーゴ・アマランチ(ロス・エルマノスのコンポーザー/ギター/ベース)」です。大好きです、ロス・エルマノス。拝。

ロス・エルマノス:マルセロ・カメーロ(歌、ギター)ホドリーゴ・バルバ(ドラム)ブルーノ・メヂーナ(キーボード、ピアノ)ホドリーゴ・アマランチ(歌、ギター)

月刊ラティーナ99年12月号掲載
ポエジー・ロックで注目の新人バンド
『LOS HERMANOS(ロス・エルマノス)』
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●曲目:Tr01テニャ・ドー Tr02無防備 Tr03アナ・ジュリア Tr04誰が知る Tr05ピエロ Tr06アゼドゥーミ Tr07苦しみの涙 Tr08春 Tr09出て行け Tr10君なしで Tr11.11日間 Tr12アリーニ Tr13別の誰か Tr14バルバラ
 現地某誌では“ハードコア×サンバ・カンサゥン”と紹介されたロック界注目の新人グループがロス・エルマーノス。全員がリオの連邦大学でジャーナリズムを専攻しているインテリ集団だったりもする。まさかサンバ・カンサゥンとはいわないが、彼らの展開するメロディアスなサウンドには“傑出した新世代のロック”として業界の熱い期待がかかっている。どこかノスタルジックな裏街道の風景とサーカス的な幻想を微妙に匂わせながら、甘さに寄りかからない知的なスタンス。デビュー舞台の99年アブリル・プロ・ロックでは今ひとつ話題にならなかったものの、さてアルバムを出してみたら意外なほどにマスコミが大絶賛。確かにこういうサウンドはブラジルにはなかった、うん。現在は懐メロ・フォークロック調の3.がFM各局でヘヴィ・ローテーション中。しかしこの音、なぜだか日本が誇る“お化粧ビジュアル系”にも似合っちゃいそうな気も。(Texto Por 原田千佳)

月刊ラティーナ01年11月号掲載
期待の若手バンド2作目、全面カシン参加
『LOS HERMANOS/BLOCO DO EU SOZINHO(ロス・エルマノス/ブロコ・ド・エウ・ソジーニョ)』
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●曲目:Tr01全てのカーニヴァルには終わりがある Tr02花 Tr03ヘトラート・プラ・ヤヤー Tr04アシン・セラー Tr05カザ・プレ・ファブリカーダ Tr06カデ・セウ・スイン? Tr07センチメンタル Tr08サー・アントーニ Tr09いさせてくれよ Tr10もう一曲 Tr11笑いから逃げた Tr12こっちへおいでよ Tr13一人で Tr14さよなら
 99年末にデビュー・アルバムをリリースし、すぐさまシーンのど真ん中に躍り出たロス・エルマーノス。哀愁を帯びた独特のハードコア・サウンドが“ハード・コア+サンバ・カンサゥン”などとも称され、高い評価を得ていた。約2年のインターヴァルを置いて世に問うこの2作目。ベーシストが脱退し4人となった彼らが、新局面を打ち出した意欲作だ。プロデュースはシコ・ネヴィス。そして、ベースにカシン、ホーン・セクションにヴィトール・サントス、ブブーらを迎え、サウンドの柔軟性はさらに高まっている。1stに比べスピードとパワーをやや抑えたぶん、彼らのメロディアスさがより浮彫りになった印象だ。ハードな
ビートにはしなやかさが加わり、パセティックなメロディには起伏が増す。ビートルズにも通じる和声感覚も随所に見られ、ハード・コアの域から大きくはみ出した味わい深いサウンドを展開している。
(Texto Por 石川真男)


月刊ラティーナ03年07月号掲載
早くも3枚目。完全カシン主導でどうなる!?
『LOS HERMANOS/VENTURA(ロス・エルマノス/ヴェントゥラ)』
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●曲目:Tr01サンバ・ア・ドイス Tr02勝者 Tr03タボン Tr04最後のロマンス Tr057階から Tr06ア・オウトラ Tr07奇妙な顔 Tr08老人と若者 Tr09アレン・ド・キ・シ・ヴェ Tr10残った少し Tr11コンヴェルサ・ヂ・ボタス・バチーダス Tr12デイシャ・オ・ヴェラゥン Tr13ド・ラード・ヂ・デントロ Tr14ウン・パール Tr15落ち着きってどこから来るのか
 アルバムタイトルの「ヴェントゥーラ」は、直訳すれば“冒険”。ボサノヴァ系の歌を、目を閉じて聴いて、頭の中に広がるのが穏やかな砂浜だとするなら、彼らの今作を聴いて広がるのは、波の荒めな大海原と言えるのではないだろうか。哀愁を帯びたメロディーラインが荒波で、腰にくる重圧な演奏が艦船。そこにお得意のホーンセクションが絡むことで、視界は一気に拓けて、180度の水平線が現れる。まさに耳で“冒険”を体現させてくれる作品だが、実は元々「ボナンサ(穏やか)」というタイトル予定だった。これは元所属先のレーベル「アブリル」が、彼らに執拗にポップ路線を求めて起こった確執への皮肉。その後アブリルは閉鎖に追い込まれ、BMGに移った彼らは、タイトルをよりストレートなこれに変更。きっと今頃艦船の上で、居なくなった皮肉の対象を、密かに北叟笑んでいたのではないだろうか。(Texto Por 野副 修)


月刊ラティーナ05年06月号掲載
新境地を開くロックバンド、ライヴとレコーディングの2本立て
『LOS HERMANOS/NO CINE IRIS(ロス・エルマノス/ノ・シネ・イリス)』
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●曲目:Tr01オ・ヴェンセドール Tr02アレン・ド・キ・シ・ヴェ Tr03タ・ボン Tr04ア・オウトラ Tr05トード・カルナヴァル・テン・セウ・フィン Tr06ウルチモ・ホマンシ Tr07コンヴェルサ・ヂ・ボタス・バチーダス Tr08ヘトラート・プラ・ヤヤー Tr09オ・ヴェーリョ・イ・オ・モッソ Tr10カーラ・エストラーニョ Tr11サンバ・ア・ドイス Tr12センチメンタル Tr13ケン・サビ Tr14ウン・パール Tr15アデウス・ヴォセ Tr16デイシャ・オ・ヴェラゥン Tr17ド・セッチモ・アンダール Tr18オ・ポウコ・ケ・ソブロウ Tr19ヂ・オンヂ・ヴェン・ア・カルマ Tr20ア・フロール
 見事なまでにロックの空気感を伝えてくれる映像などそうあるものではない。99年のデビュー作ではハードコア×サンバ・サンサゥン、セカンドでサンバとボサノヴァをバンドのサウンドに導入した確信犯的メロコアorスカコアバンドだったが、前作の『ヴェントゥーラ』ではカシンがプロデュースと、若手(?)バンドの中では既に頭一つ図抜けた感じ。そんな彼らが昨年6月に表題のホールで行ったライヴ映像(大合唱大会!)と、『ヴェントゥーラ』のレコーディング風景をDVDにパッケージ。スピードとパワーを抑えたナンバーで際だつソングライティングの業。メロディアスさがより浮彫りになったナンバーでの女性客の反応ももの凄い。ステージ上にいる髭でむっさい男たちに投げつける歓声が彼らの人気の凄さを物語る。映像と音像がロックの熱狂ぶりを大胆に伝えている。これは買いでしょう。来日ってもうしてましたっけ?(Texto Por 石川 賢)


月刊ラティーナ05年10月号掲載
『LOS HERMANOS/4(ロス・エルマノス/クアトロ)』
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●曲目:Tr01ドイス・バルコス Tr02プリメイロ・アンダール Tr03フェス・シ・マール Tr04パケター Tr05オス・パッサロス Tr06モレーナ Tr07オ・ヴェント Tr08オリゾンチ・ヂスタンチ Tr09コンヂシオナル Tr10サパート・ノーヴォ Tr11ポイズ・エ Tr12エ・ヂ・ラグリマ
 99年、「アナ・ジュリア」の大ヒットで颯爽とデビューした“アッカルーいギターポップ・バンド” の音楽性は、カシンと組むようになってから劇的に深化した。この4作目も前作に続きカシンがプロデュース。マリア・ヒタやホベルタ・サーにも曲を提供しているマルセロ・カメーロ、そしてホドリーゴ・アマランチ、2人がそれぞれ自作でリードをとる。憂いを帯びたメロディーと抑えぎみのヴォーカルを軸に、ブリット・ポップから音響系まで様々なエッセンスを取り入れながらも、音を詰めこみすぎず隙間を生かしたプロダクションが内面的な広がりをもたらしている……、なんて書くとカタいけど、要は全体を貫く“ゆるーい”ノリ、これがリオの "バイショ・ガヴェア派" のトレードマークだ。ヒネた知性とユーモアがポップ成分との絶妙なバランスを保っていて、聴けば聴くほどクセになる。UKロック好きにもオススメ。(Texto Por 中原 仁)


月刊ラティーナ06年12月号掲載
大人気バンドのベスト盤
『LOS HERMANOS/PERFIL(ロス・エルマノス/ペルフィル)』
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●曲目:Tr01勝者 Tr02風 Tr03モレーナ Tr04君へのポートレート Tr05全てのカーニヴァルには終わりがある Tr06最後のロマンス Tr07条件 Tr08アレン・ド・キ・シ・ヴェ Tr09アナ・ジュリア Tr10春 Tr11知っている人 Tr12できる前の家 Tr13変わった顔 Tr14感情的 Tr15花
 ぶっきらぼうなカッコ良さでブラジルのヤング世代から絶大な支持を受けるロス・エルマーノスのベスト盤。「チクショーみんな大っ嫌いだーっ的青春メロコア」風な趣きのあったデビュー作から、「己を見つめ直すためにマグロ漁船に乗って数年したら男の顔になって戻ってきて、その精悍さと哀愁度に思わずズキュン」な3作目&最新盤に至るまで、驚くほど楽曲・サウンドの進化を遂げているだけに、レコード会社も選曲・編集もさぞや頭を痛めたことであろうと思ったら案の定、Tr09で登場するデビュー時の大出世作「アナ・ジュリア」以降をゴリゴリ路線で手を変え品を変え見事につなぎ終えております。だがそこがいい。初期の作品が早くも入手困難な今、この偉大なるロックバンドを未体験の方は是非お試しあれ。マリア・ヒタやホベルタ・サーも取り上げたTr12のオリジナルバージョンが聴けるのもまた一興でございます。(Texto Por 上沖央明)


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テーマ:ロック - ジャンル:音楽

  1. 2007/01/13(土) 19:33:44|
  2. ロス・エルマノス LOS HERMANOS
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

コメント

こんなのやっておられたんですね。
大好きなんですよ~
ラティーナでも紹介していただいている地元コミュニティラジオVigoFMでも特集したことがありました。

http://blog.e-otegami.net/yamabra/archives/2006/07/los_hermanos.html

これからも、los hermanos情報、楽しみにしております。
  1. 2007/02/18(日) 15:34:31 |
  2. URL |
  3. yamabra #wlJWmW0o
  4. [ 編集]

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